忘れられないもの、忘れてはいけないもの。

ニュースが流れた日、所縁のあるお店に行った。
忘れられないもの、忘れてはいけないもの。

そういうもののために一人で献杯。
それほど親しくさせてもらったわけではないが、あの笑顔、あの手の温もり。

初めて行った32年前を思い出した。
懐かしい思い出だな。

所縁のあるお店のご主人も、昨年大病して2ヶ月休んだそうだ。
食べ歩きを始めた頃の、パワフルでまだ若かったご主人たちや友人たちも確実に年を重ねていて、ああもうそういう年齢なんだと思うこの頃。

一つ年を取るごとに、忘れることが増えていく。
忘れられないもの、忘れてはいけないもの。

日々は続く。

想いはつきない

亡くなった友人との思い出。

彼の勤務先の中にあった居酒屋。
1999年だったかな。
20人くらいの飲み会。

この店のゆずサワーは絶品。
馬路村のゆずだもん、そりゃあ旨いさ。
この連中、飲むのがすごく早い。
体の大きい人が多いからね。

いつしか注文は各自2杯ずつ。
「ゆずサワー40杯お願いします」

厨房が追いつくはずがない。
みんなゲラゲラ歓談しながら、ゆずサワーを待つ。
全員分1週目が渡るたびに乾杯!
そしてまたゲラゲラ。この繰り返し。
笑顔のオンパレード。もちろん彼の笑顔もそこにあった。

楽しかったな。今までで一番楽しかった宴会の一つ。

もっとゆっくり飲む機会があったら・・・と思う。
最初に体をこわされてから、あまり飲まれなくなったし。
あの、体中が笑顔のような友人ともう一度・・・・

ガンバレ!

昨日、友人のお見舞いに行った。
もう何度も入院していて、まだそれでも乗り越えなきゃ行けないハードルがあって。

大丈夫だよ。ハードルがちょっとばかし高いだけだから。
いままで何回だって奇跡起こしてきたじゃない。
信じていなかったら奇跡なんて起こらない。

外から見てるから、そう言えるのかもしれない。
でも今の僕にできるのは祈ることだけ。

彼と始めて会ったのはもう1998年の暮れ。
最初は話もできなかった。なんか、ちょっと畏怖感すらあった。
年が明けて、僕は千葉北西部の今はもうないラーメン店で仲間数人と飲んでいた。
そこに、千葉での食べ歩きの最後に嵐のように現れたのが、彼と数人の仲間。
初めて会話もできて、そこからが彼との友人関係の始まり。

大勢で香川に行ったり、旨いもの食べに遠征したり。
遠征先で見せた普段と違う一面や、破顔一笑という言葉がぴったりの笑顔、
愛情に満ちあふれた文章の構成力など、彼の魅力はまだまだたくさんある。
彼の舌の好みは僕と近く、彼の薦める店はどこもツボにはまっていた。

ガンバレなんて言葉は酷なのかもしれない。
でも、元気になってくだらない話をしながら旨いもの食べたい。

祈ることしかできない自分がもどかしい。
でも本当に、今の僕にできるのは祈ることだけ。