たぬきのマンガ夜話~第1回~「おせん」

  今回の内容は「おせん」 作:きくち正太

 osenmattou

「おせん」全16巻
「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。」全11巻
いずれも講談社イブニングKC刊(kindleバージョン有り)

『笠置の宿には過ぎたる花がふたつある
 ひとつぁ 千成神社の弁天桜
 もひとつぁ 本所百軒下田谷屋敷
 江戸の北斎 京伝も
 この花だきゃぁ 筆にもできめぇ
 老舗花茶屋”一升庵” 暖簾に咲いた花の名は
 半田仙こと 通り名 おせん
 まずは衆目衆目』

上記は一巻の巻頭の扉絵に書いてある一節。
料理マンガではあるが、どちらかというと和の文化に重心を傾けた人情ものと言える。作者の趣味であろう料理・骨董などの話題が多く、その手が好きな人には堪えられないテイストである。

主人公は、一升庵という店の呑んべえで食い意地の張った天然若女将「半田仙」、通称おせんなのだが、物語は大学新卒で、甲府の旅館の跡取りでもある江崎ヨシオの視点から語られている。ストーリーは江崎が就職するところから始まり、跡継ぎに帰る直前までが綴られている。

江崎にはグリコというニックネームが付けられるが、この辺のベタさが割とツボ。そういえば、むかし「軽井沢シンドローム」でも純生クンがアサヒとかキリンとか呼ばれてたな(笑)

一升庵という店は、笠置の宿にあると言うことになっているが、当然そんなところは東京にはなく、設定としては鈴木春信の絵画にある、笠森お仙がいた谷中の笠森稲荷神社周辺がモデルと思われる。
戦争で焼けてしまったが、そこには星岡茶寮があり、一升庵の店構えはそれをモチーフにしているのだろう。

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懐かしい声

見慣れない着信があって、誰だろうかとその番号に発信してみる。
電話の向こうで僕の名前を呼ぶ声。

名乗られるまでわからなかった。
よくこちらの番号がわかったね。
え、あ、教えてもらったんだ。そうかそうか。

話していくうちにお互いに涙声に。
こんなことがなかったら、この後も話す機会なんてなかったかもしれない。
きっかけになったことは悲しみの底にあることでも、こんな形の再会であっても
やっぱり声が聞けたこと、元気でいてくれたことが嬉しい。

今度会えるのはいつの日だろう。
昔のように笑って話せる日が訪れますように。
そしてみんなが元気でいられますように。

想いはつきない

亡くなった友人との思い出。

彼の勤務先の中にあった居酒屋。
1999年だったかな。
20人くらいの飲み会。

この店のゆずサワーは絶品。
馬路村のゆずだもん、そりゃあ旨いさ。
この連中、飲むのがすごく早い。
体の大きい人が多いからね。

いつしか注文は各自2杯ずつ。
「ゆずサワー40杯お願いします」

厨房が追いつくはずがない。
みんなゲラゲラ歓談しながら、ゆずサワーを待つ。
全員分1週目が渡るたびに乾杯!
そしてまたゲラゲラ。この繰り返し。
笑顔のオンパレード。もちろん彼の笑顔もそこにあった。

楽しかったな。今までで一番楽しかった宴会の一つ。

もっとゆっくり飲む機会があったら・・・と思う。
最初に体をこわされてから、あまり飲まれなくなったし。
あの、体中が笑顔のような友人ともう一度・・・・