手の中にあるもので、どちらかを手放さなければならない場合
どちらも大事だとしても、天秤に掛けなければならなくて
ある瞬間、ふっとどちらかに比重が置かれ、天秤は一気に傾く
手の中からこぼれたものはどこかできっと
また同じことがあっても、同じ判断ができるのか
いつだって生きて行くには時間が足りない
決断するのを引き伸ばしていいわけじゃない
きっとどんな判断をしても、あとで悔やむのかもしれない
もういいやと諦めた瞬間、何事もなかったように一日が始まる
そして、自分の掌の小ささに気付く
指の隙間に気付く
掌に掬って飲めるだけの水で、足りるはずなのにな
もうそこにはそれはなく、記憶だけが執着する
ある晴れた日