若冲と蕪村

与謝蕪村という俳人には、中学か高校かで触れた覚えがある。あくまで俳人としてだ。
その蕪村が後年、絵師として絵画を描いていたということを、浅学にして知らなかった。
その蕪村と同年に生まれた伊藤若冲という絵師がいて、この人の描く煌びやかな花鳥図は目にしたことがあるが、二人に交流があったのかどうか云々ということは、これまた浅学にして知らなかった。

サントリー美術館に「若冲と蕪村」展を見に行った。金曜日の夜だったが、観覧者も多く、若冲に興味がある人や蕪村に興味がある人がこんなにいたのかと、軽い衝撃があった。
作品的には、両者が共通して影響を受けた中国・朝鮮絵画を手本としたものや、大らかな筆致の水墨画など、似た部分もある。

若冲で感動したのは、手本とした絵画に、この時代ではまだ珍しいと思われる、奥行きを感じさせる遠近感。今にも羽ばたきそうな鶴が絵の中に違和感なくたたずみ、それが華やかな色であったり、時には墨の濃淡だけであったりと、豊かに表現されている。

また、蕪村はシンプルな構図と線で表現しているが、俳人としての感性もそこかしこにちりばめられていて、作品の膨らみをたっぷりと感じられる。

二人に共通する、洒脱さも対比の妙があり、接点があったかどうかは不詳だが、掛け合いのような感覚を共有できる。

圧巻の蕪村の「山水図屏風」と若冲の「象と鯨図屏風」だけでも、充分に世界に浸れるので、お時間があれば是非。5/10まで。

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