第91回東京箱根間往復大学駅伝競走

箱根駅伝終わった。

印象をいくつか。
1区は予想通りの展開。六郷橋からの中村(駒澤大)、田口(東洋大)、久保田(青山学院大)のスパート合戦は見応えがあったが、スタミナもあり駆け引きに長けた中村に軍配。いい流れを作る。しかし、差がない襷リレーで、他の2校も流れは悪くない。オムワンバの急遽の欠場で、補欠ランナーの投入位置にずれが生じた山梨学院大が最下位。中村、久保田が印象に残った。

2区は留学生が走らないという近来にない展開。流れに乗ったかに見えた駒澤大に光明が見えたのも一瞬、服部勇(東洋大)の力走で、東洋大が粘る。駒澤大はエース村山謙で引き離したかっただろう。ただこの時点では層の厚さで駒澤大かと予想したのだが。一色(青山学院大)も良い位置でリレー。将来性を感じた。印象に残ったのは村山紘(城西大)、村山謙、一色。1時間7分台が5人。

3区は中谷(駒澤大)の快走が光った。4区を走った前回に続く2年連続の区間賞は実力者であることを証明している。また、区間2位で飛ばしてきた有村(明治大)は順位を上げて襷リレー。5強の一角といわれた存在をアピール。これは明治大もありかなと思わせた。印象に残ったのは中谷、有村、井上(山梨学院大)。

4区の最短区間は区間新記録が2人、しかも1年生。駒澤大の工藤、青山学院大の田村と思い切りの良さが目立った。最短区間と言っても18.5kmあるわけだが、そう大きな起伏もないので走りやすいのだろうか?ここ数年で一番新記録が出ている。印象に残ったのは工藤、田村の2人か。

往路の勝負は花の2区でも総合力でもなく、今年も山登りの一発勝負。それがそのまま総合優勝になるパターンは、わかりやすいと言えばわかりやすいし、単純といえば単純。もちろん選手に罪は全くないのだが。その中で、神野(青山学院大)の健脚は特質に値する。今までの山登りは重心の低い選手(腰を落として走れる)が中心だったのだが、43㎏という軽量で、はねるようなリズムで登っていくスタイルは山登りに一石を投じた。ただ、強風などの悪条件時はどうなのか、注目したい所だ。日本大の留学生ダニエルは昨年の反省を踏まえた上で山登りに挑み、見事な結果だったが、5区スタート時のチーム順位が低すぎた。駒澤大の馬場、早稲田大の山本、大東文化大の市田宏など、実力を出し切れなかった選手が多かったのが印象。特に馬場は完走すら危ぶまれたほどで、山登りの過酷さを物語った。もちろんここは神野が印象に残る。
往路最終では最低でも区間5位でまとめた青山学院大の初優勝。下馬評では最右翼だった駒澤大は4位。復路一斉スタートが14チームあるが、タイム差にも注目の復路。

復路は青山学院大からの時差スタート。スタートして左折した直線では2位明治大からまだ肉眼視できたので、何かあれば逆転というドラマがあるかと期待したが、ここからの底力が違った。村井(青山学院大)は区間2位で駆け抜け、2位に上がった駒澤大との差を開く。走りを見ている限り西沢(駒澤大)の方に勢いがある感じがしたのだが、終わってみれば10秒、村井の方がいいタイムだった。2位スタートの明治大も60分を切る好タイムだったのだが、逃げる青山学院大の方がさらに早かった。区間賞は早稲田大の三浦だが、印象に残ったのは村井だった。

7区からは圧巻。セーフティリードに近いとは言え、気を抜かずに走った青山学院大の復路メンバーに拍手。小椋(青山学院大)は区間記録にあと8秒及ばなかったが区間賞。トップを走るチームがこれだから後続が追いつくはずがない。ここからは2位争いに目標を切り替えざるを得なかった、5強の他の4校は脱帽だろう。まず、明治大が遅れる。5強のうち、最も層が薄いと思われたのが明治大でその弱点が最初に露呈。区間14位と失速し駒沢大、東洋大に抜かれた。この時点で2位駒澤大とトップ青山学院大の差は7分35秒。印象に残ったのは小椋、服部弾(東洋大)。

8区も独走が続く。トップでもらった襷を高橋(青山学院大)がさらにリードを広げていく。それが今回の青山学院大の強さ。エピソードばかり際立つが、どうしてどうしてなかなかの実力。これで陸上をやめてしまうのは惜しい気がするほどの快走。追いすがる駒澤大が区間2位で力走してもさらに差が広がる。ここまでの復路順位は青山学院大、駒澤大、早稲田大、東洋大、中央大の順で、シード権ラインにいた中央大が復路で順位を上げそうな感じだった。1区最下位スタートの山梨学院大が往路6位と健闘し、10位大東文化大との差を3分16秒詰めてきた。印象に残ったのは高橋、永井(中央大)。

9区は笑顔でスタートした藤川(青山学院大)が、快調に飛ばす。区間記録には3秒及ばなかったが、これで完全に決まってしまった。息を吹き返してきたのが明治大。木村の快走で3位に浮上。あと一人、復路に主力を投入できれば勝ち負けになったかもしれない。印象に残ったのは藤川、木村。

10区。シード権争いが注目されるところで、10位大東文化大と11位山梨学院大との差はわずかに52秒。9位、12位とは差があったのでこの2校の激戦になるかと思いきや、ここにドラマがあった。8位中央大学の多田が故障により大失速。次々と抜かれていく。画面では一斉スタートの絡みもあり、見かけと違うのでわかりにくいが、そこまでの総合8位から後退、なんと総合19位まで落ちてしまう。山梨学院大はアンカー兼子が区間3位で走り、大東文化大も抜いて9位に入った。最終10区でも青山学院大は区間2位で走り、10時間50分を切る驚異のタイムで優勝。2位の駒沢大に10分50秒の差をつけた。

終わってみれば青山学院大の強さが際立ったが、2位駒澤大も86回大会や89回大会の優勝タイムより10分近く上回って走破しており、そのほか、好天に恵まれたとは言え5位早稲田大までが11時間2分台。高速駅伝を印象づけられた。
チームで印象に残ったのは山梨学院大。留学生のアクシデントからよくシード権まで健闘したと思う。

東京オリンピックまであと5年、この中から世界に通用するランナーは出るのか?競技者として脂ののりきった年齢で、今の高速マラソンへの挑戦権を獲得するのは誰か?注目したい。

第91回東京箱根間往復大学駅伝競走」への2件のフィードバック

  1. 今日の読売に書いてあったけど、東洋大は選手全員が実力出し切っても10時間55分くらいが予想タイムだったそうで、「驕りがあった」と監督が認めてた。逆に言うと、青学速過ぎ。
    あと、箱根駅伝の設立の狙いが世界に通じる選手の育成、だったことからすると、山登りで勝敗が決まっちゃう今のコース設定に苦言を呈していた。母校が全く関係無い私からすると見てて面白ければそれでよいんだが。

  2. >こうじさん

    そう、瀬古利彦さんも言ってましたが、山登りはテクニックだそうで、やっぱり力の差が出るのは2区だそうです。
    山登りは山登りで面白いんだけどねえ。