たぬきのMusic Chronicle~第1回~松田聖子

このカテゴリーで最初に語る内容が「松田聖子」になるとは、全然考えていなかった。
本来、私の好きな「吉田拓郎」や「佐野元春」etc.の話を書こうとしていたのだが、突然頭の中に降ってきたもんだからしょうがない(笑)

さらに言えば、私のファーストアイドルは「玉木妙子(フィンガー5)」であり、その後は「石野真子」一筋であったし。なぜそっちじゃないのか不思議だ(笑)

それで、彼女がデビューしたのは私が中学3年の時。
CMで「えくぼぉのー」という声が妙に耳に残り、いったい誰なんだろうと思っていたら、ドラマ「おだいじに」で太川陽介の恋人役として出演していた。

同一人物とは思えなかったなあ。(そういえば、太川陽介と松田聖子は所属事務所が同じで、本来はこの役を同事務所の香坂みゆきがやるはずだった。当時香坂みゆきが多忙で、出演できなかったので、新人の松田聖子におはちが回ってきたらしい)

声質は伸びやかで、甘く、鼻にかかる音は当時の若者(私を含む)のハートを鷲掴みにした。デビュー当時の小田裕一郎作曲のシリーズ(私はメジャースケールのアイドル曲を書かせたら天下一品だと思っている。)に三浦徳子の「私かわいいの!」感が溢れる詞が、ベストマッチ。

これを上手に財津和夫が引き継いで、ポジションを不動のものに。

ところが、歌いすぎなのか忙しすぎなのか声質に変化が出てくる。伸びやかだった声はかすれが目立つようになり、ちょっと可哀想なくらいになるのだが、ここでホームランが飛び出す。そう、作家陣に松本隆と、少し遅れて松任谷由実が参加するのである。

松本隆の「松田聖子ワールド」とも言える独特の語感を持った詞に、ユーミンのメロディがパズルのピースを埋めるように収まる。他では見られない作家同士の
コラボレーションが、男性中心のファン層から女性も取り込んだ「Seiko」ブランドを確立させた。
ちなみに、「Seiko」ブランドは時計のブランドではないが、松田聖子は時計のCMにも出演していた(聖子のピコレ♩可愛いから好き、あつかいやすいのだから好き、ピピッと鳴るから好きなの)。

松田聖子には様々な作家陣がついたが、出色はやはりこの初期の3人につきる。
佐野元春(Holland Rose名義)、甲斐よしひろ大江千里大瀧詠一尾崎亜美奥居香タケカワユキヒデ土橋安騎夫(元レベッカ)など、多彩な作曲陣の曲は秀逸な曲も多いのだが、いま挙げたメンバーの曲はその作者がもといたグループや、本人が歌唱しても何にも違和感がない。

たとえば、Strawberry Time(作曲:土橋安騎夫)はレベッカが出しても売れただろうし、Pearl-White Eve(作曲:大江千里)や天使のウインク(作曲:尾崎亜美)、旅立ちはフリージア(作曲:タケカワユキヒデ)は作者本人が歌っているような独特のメロディーラインの印象がある。

何を言いたいのかと言うと、どれも佳曲ではあるが、「松田聖子ワールド」を構成する要素たり得ない。むしろ変化球なのである。(上記の作家陣の中では大瀧詠一が唯一構成要素に近いが、これは松本隆とのコンビネーションあってこそだと思うので。ちなみに一千一秒物語は、このコンビの一番の秀作)

そういった意味で、初期の3人は偉大なのである。小田裕一郎の明るくわかりやすいサビ、財津和夫の透明感のあるメロディーライン、松任谷由実の憂いがあるが、けして暗くならない世界。これが、「松田聖子ワールド」を固めたのである。

そう書いていてあることに気づいた。松田聖子のシングル曲はマイナースケールが1曲もない!!中森明菜と対照的だ。たいていのアイドルは、憂いのある曲が高じてマイナー曲化するのだが、それが松田聖子にはない。

なるほどねえ。そういう歌手は他に見当たらないな。これも、人気の要因の一つかもしれない。だからといって画一的になるわけでもなく、意表を突かれるような世界、それが「松田聖子ワールド」だ。

そしてその後、自分で曲作りをするようになったが、才能なんだろうな、いろんなところにエッセンスがちりばめられて、まとまりのある良質なJ-POPを発表し続けている。

そんな松田聖子の中で、私の好きな3曲を挙げてこのコーナー了とする。

私の好きな松田聖子ベスト3

  • 瞳はダイヤモンド(作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂)
  • 青い珊瑚礁(作詞:三浦徳子/作曲:小田裕一郎)
  • チェリーブラッサム(作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫)

期せずして、初期の曲ばかりになってしまった・・・(笑)

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